高級住宅街と坂の街。自動車社会が伺える池上・大森地域

前回は、多摩川沿岸から蒲田まで歩きました。
今回は、閑静な住宅街が広がる田園調布から池上を経て、大森までを歩きましょう。

田園調布・多摩川台公園

武蔵野台地の南端に位置する多摩川台公園。
断崖線上に位置するため、高台からの多摩川方面の眺めが見事で、晴れた日には丹沢の山並みや富士山が望めます。
また、この景色は「多摩川八景」に選定されています。
公園からの眺め

桜や芝桜、アジサイなどが植えられた散策道のほかにも、東京都史跡に認定されている「亀甲山古墳」や「宝莱山古墳」などもあり、一日中飽きずに遊べる公園です。

田園調布・多摩川浅間神社

多摩川浅間神社

多摩川台公園のすぐ南にある「多摩川浅間神社」。
本殿は「浅間造」と呼ばれる、社殿の上にもうひとつ社殿が載った二階建ての建築様式で、この様式の社殿は東京都内では唯一です。
また、この社殿までの参道には多くの溶岩が置かれており、これは富士登山道の「富士塚」を模しています。

創建は古く、鎌倉時代の文治年間(1185年~1190年)と伝えられ、北条政子が正観世音像を建てたことから始まったといわれています。
ここも武蔵野台地の南端に位置し、空気の澄んだ晴れた日には富士山の眺めが見事です。

また、この神社は映画「シン・ゴジラ」のロケ地に使用されたことでも一躍有名に。
最近は聖地巡礼と称して全国のシン・ゴジラファンがこの神社を目指してやって来るそうです。

池上・池上本門寺

池上本門寺

関東地方にお住まいの方なら、節分の日にプロレスラーが豆まきを披露するニュースなどで目にしたことがあるのではないでしょうか。
池上本門寺は鎌倉時代中期、日蓮聖人によって興された日蓮宗のお寺で、同宗の大本山となっています。
その大本山の中でも、約730年前の弘安5年(1282年)10月13日に日蓮聖人が入滅(高僧が亡くなると)した地として伝えられ、同宗にとっては霊蹟として特別な意味を持つ寺院です。

日蓮聖人の命日に合わせ、毎年10月11日・12日・13日に日蓮聖人の遺徳を偲ぶ「お会式法要」が行われ、特にお逮夜に当たる12日の夜は30万人の参詣者が訪れ賑わいを見せます。

また池上本門寺では年に8回、朝市が開催されます。
開催時期は3月~6月、9月~12月の第3日曜日、7:00~11:00。
開催当初、参加店舗は10店ほどでしたが、現在では20~30の露店が軒を連ね、農産物や加工品、企業・団体のPRブース、無料体験ブースなど、様々な個人・団体が出展しています。

平和島・美原通の旧東海道碑

旧東海道

京急平和島駅近く、国道15号(第二京浜)と都道318号の交差点から1本海側の路地に入ると、そこは美原通りです。
何ということのない路地に見えますが、実はこの道、旧東海道なのです。
道幅もほぼ当時のままと言われ、東海道の様子を描いたタイル画などが埋め込まれています。

大森の海苔問屋
通りには、浅草海苔をメインとした海苔問屋や小売店を数件発見することができます。
大森なのに浅草海苔?

その理由は、次のスポットで明かされることになるのです。

大森・大森海苔のふるさと館

大森 海苔のふるさと館

大森地域は江戸時代中期、浅草海苔の産地でした。
これは、5代将軍・徳川綱吉による「生類憐みの令」によって、浅草近辺の漁業を禁止する令が発布されたことに端を発します。
収入の道が立たれることを恐れた浅草の漁師たちは、規制の外の地であり、船が係留できる川のある大森地域に移住しました。
その漁師たちが始めたのが、海苔の生産です。
「浅草海苔」と銘打たれていますが、生み出したのはここ大森に移り住んだ「浅草の漁師たち」だったのです。

その海苔の生産も、1960年代の東京湾の埋め立てにより、終焉を迎えました。
しかし、この地が江戸前文化の一翼を担う海苔の一大生産地だったことを記録にとどめ、その歴史と文化を伝えることを目的として、2008年に大森海苔のふるさと館が開館しました。

館内には江戸~明治時代にかけて使用された海苔船や採集・製作用具などの重要有形民俗文化財が展示され、往年の漁師たちの様子をうかがい知ることができます。

大森・池上の街の様子

山の手の大森エリアは、大正初期から高度経済成長時代に多くの人が都心から移り住み、いまでは高級住宅街のステイタスを得た地区です。
特に田園調布は、イギリス式の田園都市として有名であり、セレブの街として知られています。

池上のまち
山の手だけに坂が多く、1世帯当たりの住宅面積も広いことから、住宅内に駐車場があり自家用車保有率も高い傾向があり、狭い斜面を自動車が行き交う街になっています。
都心からも離れた地域のため、基本的には車社会の様子が伺えます。

この地域で販促を行おうと考える際には、高級住宅街であることから、比較的高収入・家族で生活している人が多い、など
住民の特性がすぐに思い浮かびますが、これらに加えて、このような地理的な要件も前提としてとらえておくことが必要になってきますね。

test エディター:津倉 深根雄
Web業界(主にEC業界)に十数年身を置いていた、モータースポーツ大好きなフリーライター。
夫婦でシクロツーリスト(自転車旅人間)。新婚旅行は本州~九州縦断の自転車旅。
この時、「人の心を動かすのは、サービス内容や集団ではなく、人のキャラクターとの触れ合い」なことを悟る。